プレス作業と同時に実際に加工部品にかかった荷重をロードセルにて測定し、「加工部品の良否判定」を行う品質管理のことです。
なぜ荷重管理なのか?
圧入部品の場合
従来、抜去力の管理やトルクの保証を行うために、部品加工精度(公差など)の管理、抜き取り破壊検査、全数の保持力検査などが行われてきました。しかし、部品加工精度(公差など)の管理は、その精度を良くすればするほどコストアップは避けられない上、実際の抜去力を推定できる管理方法ではありません。しかも、全数検査したことにはならず、全数の保持力検査には膨大な手間が掛かってしまいます。
しかし、荷重管理を採用した場合、圧入時の荷重を計測し、実際の抜去力と相関の高いデータを得ることができます。また、ユーザーの製品管理に対する要望に応えることで企業のイメージアップが図られ、過剰な品質管理の手間を省くことによる大幅なコストダウンも見込めます。
カシメ加工の場合
エアープレスや油圧プレスの加圧推力は、さまざまな要素が複合し合っています。
エアープレス:供給エアー圧力、プレスラムスピード、静圧時間など
油圧プレス:最大加圧能力、吐出圧力設定値、作動油温度、静圧時間など
これらに加え、金型(治具)の精度や作業現場環境などが影響し、いずれの要素が一つでも変化すると加圧推力は当然変動します。
荷重管理を採用した場合、カシメ加工時の荷重を計測することにより、実際の抜去力と相関の高いデータを得ることができます。また、プレス作業と同時に加工部品の良否判定を行い、不良品の発生を未然に防止します。
荷重管理装置選定のポイント
荷重測定の繰り返し精度が高いこと
荷重測定の繰り返し精度が悪いと、荷重との相関が取れなくなり、荷重管理の信頼性の低下に繋がります。弊社の荷重管理装置は、特殊アナログホルダの採用や最新の高速プログラム処理により、信頼性を実現しています。
応答性・測定速度
ロードセルの出力は、デジタル表示を行う際にA/D変換をする為、必ず一定の時間を要します。
この時応答性や測定速度の低い荷重管理装置だとピーク値を測定しきれない、あるいは測定された荷重が安定しないなどといった問題が生じてしまいます。ですから弊社では、ロードセルに対して十分な応答性や測定速度を備えた荷重管理装置をご用意しました。